さちこです。夫と姉の在宅介護を5年間続けてます。
夫の認知症が進み始めた頃、私を一番追い詰めたのは夜中の徘徊でした。
昼間は穏やかでも、夜になると突然スイッチが入ったように起き上がる。
「ちょっと出かけてくる」と言って玄関へ向かうのです。
あの頃の私は、正直、何度も泣きそうになりました。
夜中2時、玄関の音で飛び起きた日
ガチャッという音で目が覚めました。
時計を見ると夜中の2時。
慌てて廊下へ出ると、夫が靴を履こうとしていました。
「会社に行かないと」
もう定年から何年も経っているのに、夫の中ではまだ現役だったのでしょう。
私は必死に止めました。
でも強く言えば混乱する。優しく言えば外へ出ようとする。
どう接するのが正解なのか分からず、心も体も限界でした。
最初にやって失敗したこと
最初の頃、私はこう思っていました。
- きちんと説明すれば理解してくれるはず
- 何度も言えば思い出すはず
- 注意すればやめてくれるはず
でも現実は違いました。
「夜だからダメよ」と言っても、数分後にはまた同じことの繰り返し。
そのたびに私の声は強くなり、夫の表情は不安そうになっていきました。
今思えば、あれは夫も不安だったのだと思います。
私が考えた小さな対策
泣きそうになりながら、私は少しずつ工夫を始めました。
玄関に簡単な鍵を追加
すぐに外へ出られないように、手の届きにくい位置に補助鍵をつけました。
「閉じ込める」のではなく、私が気づく時間を作るためです。
廊下にセンサーライト
夜中に動きがあると明かりがつくようにしました。
物音だけよりも、視覚で分かるほうが私の負担が減りました。
「否定しない」声かけに変えた
「会社はお休みだよ」ではなく、
「今日はお休みだから、もう少し寝ようか」と伝えるようにしました。
ほんの少し言い方を変えただけで、夫の混乱が減ったように感じました。
それでもつらい夜はあった
どんな対策をしても、完璧にはいきません。
眠れない日が続くと、昼間の家事もつらくなります。
私は台所で一人、涙をこぼしたこともあります。
介護は、体力よりも心が削られます。
あの経験が、今の私を助けている
夫を見送った今、あの夜のことを思い出すと胸が痛みます。
でも、あのとき試行錯誤した経験が、今、姉の介護で役立っています。
徘徊は「困った行動」ではなく、
本人なりの理由がある行動だと分かったからです。
もし今、夜が怖いと感じている方へ
夜中の徘徊は、本当に心が折れそうになります。
でも、あなたが弱いわけではありません。
少しずつでいいんです。
環境を整え、声かけを変え、頼れるサービスを探す。
完璧でなくていい。
私も何度も失敗しました。
それでも、工夫を重ねることで、ほんの少し楽になりました。
一人で抱え込まなくて大丈夫です。
関連記事
在宅介護で役立つ便利グッズ・サービスまとめ

コメント